株式会社 善設計
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善設計日誌

「耐震 大揺れ1回のみで判断 国交省見直しも」(毎日新聞ニュース)


こんにちは。所員Tです。
今日は結構雨が強く降っていて、通勤中にズボンがずぶ濡れになりました・・・。

さて、2日前(4月26日)の毎日新聞で以下のようなニュースがありました。

「耐震 大揺れ1回のみで判断 国交省見直しも」
http://mainichi.jp/articles/20160426/k00/00e/040/165000c

熊本地震では、初めて同一地点で最大深度7の大きな揺れが2回
発生しましたが、その後に続く大きな余震で建物が倒壊するケースが
起きているため、これまでの耐震基準を見直す必要があるのではないか
とのことです。

記事にも書かれていますが、


「今の耐震基準は『建物は損傷はしても命は守る』という考え方で、
損傷後の状態は考慮されていない。」

「本震より小さな揺れが最後の一押しとなって建物が壊れることはある。」


このことは、われわれのような耐震関係の仕事をしているものは当然の
ように知っていることですが、そうでない方々はどうでしょうか。

熊本地震で 1回目の震度7が発生した後、自宅に戻って自宅の片づけを
している映像をテレビで何回か見ましたが、これは結構怖いことです。
震度7ともなると建物はかなりのダメージを受けている可能性が高いので、
今後起こるであろう小さな余震で建物が倒壊する危険性が高いからです。

それならば、「耐震基準を見直さないとだめだろう」となると思いますが、
もしすべての建物に高い耐震性を持たせた場合、現在の価格で建物を
取得することは難しくなります。

そういった背景があるので、個人的には、

建築基準法等の法律は、現在の最低限の基準(大地震が発生しても
すぐに倒壊せず、外に逃げる時間がある。)を定め、建物取得者が【容易に】
(ここ大事です)任意で耐震性能を割増できるようにする。

のがよいのではないかと考えています。
(そうするには、耐震性能は任意で割増できるということをわかりやすく制度化し、
それを社会的に周知徹底する必要がありますが)


最後に、お伝えしたいこと、個人的な考え、願望等をつぶやきたいと思います。
あくまでも 【つぶやき】 なので、スルーしていただいて結構です。笑

● 建築基準法で決められてる耐震性能は、地震に対しては最低限の性能しか
 有していないということ。震度7クラスの地震には、すぐに倒壊せず建物外に
 逃げる時間はあるが建物が壊れないことは想定していない。よって地震で
 ダメージを受けた建物が繰り返しの地震で倒壊する可能性がある)

● もし住宅を取得するならば、内装等は極力シンプルなものにして
 耐震性能向上に重要な建物の骨組みに予算をかけたほうがよいと思う。
 内装は、あとでゆっくりと自分好みにアレンジできる(好みも年齢と
 ともに変わりますから)が、骨組みをあとで改修する(耐震工事)のは、
 膨大な予算が必要になってしまうから。

● 地震地域係数(過去の地域毎の地震発生率に基づいて定められた係数。
 これが小さいと建物に作用する地震力を低減できる)は、全国同じ値でよいと思う。

● 建築基準法をもっと見やすく変えて欲しい。
 解読が困難で、嫌がらせか!と思ってしまいます。笑

● 構造設計には、基準がたくさんり、それぞれが微妙に異なっていて
 どれを適用したらいいのかわからなくなる。統一して体系化してほしい。

● 構造設計というものがもっと社会的に認知されてほしい。(願望)
 (構造設計?構造計算のこと?(過去の記事をご参照下さい))

2016年4月28日